No274 ロダン
フランスに来る前の1年間、私は”関西日仏学館”でフランス語を学んだのですが、この”関西日仏”を1927年に設立させた人物のひとりに、当時の駐日フランス大使だったポール・クローデルがいます。1924年に開設した東京日仏会館もそうです。彼は劇作家としても有名ですが、”超日本びいき”で、”日本人は貧しいが、高貴な人々だ。世界中でどうしても生き残ってほしい民族を一つだけあげるとしたら、それは日本人だ。”という、とんでもなくうれしい言葉を残してくれています(それも1943年に…)
ところで、彼のお姉さんは、彫刻家のカミーユ・クローデルです(私はイザベル・アジャーニ主演の映画を見るまで、その名前も知りませんでしたが…)。このカミーユ姉さんは、18歳の時ロダン(当時42歳)に弟子入りし、やがて恋に落ちるのですが、ロダンはローズという女性を選んだので、カミーユは精神に異常をきたし、その後30年間を精神病院で過ごし、そのまま死んでしまいます。ロダンはおそらくそれを待っていたのでしょうが、77歳になって73歳のローズと結婚しますが、その16日後にローズは亡くなります。そして9ヶ月後にはロダンも死んじゃうんですが、彼が一生をかけて模索し続けた、ダンテの”地獄の門をのぞき込む人”(通称”考える人”)の悩みの種の一つには、こういう問題もあったのかも知れませんね(超ついでで、ホントにどうでもいいことなんですが、”インド人もびっくり”という表現は、ダンテの神曲の一節で有名になった言い回しだそうです)。
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