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№191 歯並び

私は幼年時代はメチャ明るい子だったのですが、成長期のいくつかの“出来事”によってワット数が減少し、現在のような哀愁を漂わせる点滅キャラになってしまいました。

最初の“出来事”は、小学校に入ってすぐメガネをかけさせられたことです。2番目は中1の時、父親のお古のダブダブズボンをはいて塾に行ったらM子ちゃんに死ぬほど笑われた時です。そして3番目は中2の時、事故で前歯が3本折れたことです。これが決定的で、もう性格はまっ暗闇。修復の結果、何故か1本は金歯になっており、歯だけが明るく輝いていました。

それから10年後、フランスで歯医者に行くと“これかっこ悪いね”と言ってセラミックの白いのに変えてくれました。しかも“歯並び”も矯正しよう、とか言われて、半円形の2本の針金で歯を強くはさむ器具を装着されました。これはあまり効果はありませんでしたが、フランスの子供達は実に良くこの“針金ギプス”で歯並びを矯正されています。この“歯並び矯正”と“金歯ぎらい”こそ、フランスの街づくりの基本コンセプトなんだなあと、すき間なく、同じ色で、同じ高さに整備された美しい街並みを見るたびに、私は感心してしまいます。

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№190 1+1=2 

1+1=2 じゃなくて、2.1 位になるのがたとえばケンカの時なんかで、ひとりぼっちでボコボコにやられているA君のところにB君が来てくれると、A+B以上にプラスアルファーの“自信”が出てきちゃうってな感じです。これとは反対に0+0=-1というのもあって、貧しい人が集まればもっと貧しくなるみたいなやつで、いずれにしても算数とか数学っていうのは、現実の生活では必ずしも正しくはないかもしれません。(複雑系とかファジーとかゲシュタルトっていうんですよね、こんなの)。

それにしても我が祖国日本は、年中“ファジー祭り”みたいな国で“ギリ”とか“シガラミ”の間を“1+1=2”が時々すまなそうに通り抜けていくだけで、基本的には“1+1=5”とか“4-3=0”とか、もうムチャクチャの非ユークリッド世界です。ところでもうひとつの我が“疎国”おフランスではどうなのかというと、意外なことにこの国の基本は“1+1=2”なんです!レジの計算は遅いし、お釣りは間違えるし、3日後っていうと5日位かかるくせに、1+1=2になるべきだと思って生きているのです。

でも楽っすよ、1+1=2の生き方って!

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№189 MP3

パリのメトロに乗ると、ほとんどの若者の両耳からヒモが出ていて変です。日本では多くの人がケータイを見つめていますが、何かの宗教みたいでこれも変です。完璧に眠っている人も日本ではよく見かけますが、これも充分変です。(立ったまま眠っている人は実はゾンビです。)

メトロや電車の正しい乗り方は、きちんと背を伸ばして座るか立つかして、穏やかな目つきで車内や車外の風景を見るともなく見るという、基本的なマナーを彼らは知らないのでしょうか。お年寄りや身体の不自由な人やヤーさんが乗ってこないかと注意しながら、“物思いにふける”。これこそ正しい乗客の姿です。

ま、それはさておき、パリのメトロって駅の区間が短いのですぐ止まって落ち着かないんですよね。20分位乗っている間に、45歳で失業中のジェラールのラップのようなスピーチとか、とんでもなく音痴のおばさんの歌とか、床を這うようにしてすり寄ってくるクモ男とか、いろいろ出てくるので“物思い”のヒマなんかありません。やっぱり“耳からヒモ”が一番いいのかもしれませんね。

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