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№196 ペラペラ

何十枚かの紙に絵を書いてペラペラとやると動いてるみたいに見えるやつって何ていうのかな? 映画もビデオも同じ原理なんだけど、あるコマと次のコマの間に実際にはスキ間があるのに、つながっているみたいに見えます。人間の履歴書も同じで、○○大学入学の下に“卒業”と書いてあると、その間時々しか授業に出てなくても誰も気にしないみたいなもんです。(何か全然説得力の無い“たとえ”ですね)。

“ことば”というのも、全部の単語を“はっきり”言うとけっこう変で、実際には“トビトビ”に音(声)を出したほうがなめらかに聞こえるんです。たとえばフランス語の否定文は動詞を“ヌ”と“パ”ではさむと習いますが、日常会話では“ヌ”は使わず“パ”しか聞こえてきません。でも理論的には存在するので、その“穴”は聞き手の脳がちゃんと“穴埋め”しているのです。ただし“ペラペラ漫画”も言語の“音とばし”も(そして授業サボりも)なめらかなリズムとスピード感が無いと成功しませんので、念の為。

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№195 スロー学習

ファーストフードの王様はマクドナルド大王ですが、フランスのマックはサービスが遅く、ほぼ“スローフード”です。(しかも笑顔は有料です)。

ま、そんなわけで世の中は“スロー”がブームのようですが、語学学習者さん達は皆“せっかち”です。入学して2週間目ぐらいで“ちっともしゃべれるようになりません”と相談に来たりします。確かに、学校案内には“4ヶ月コースで基礎を固める”とか書いてますし、“半年もしたら日常会話には困りませんよ”とか、説明会で誰かが言ったかもしれませんが、あれはウソでした、ゴメンネ。

でも本当は別に無責任でこう言うのではなく、“学習”の最大の敵は“あせり”(ストレス)だからなのです。ファースト学習は消化が悪く太るだけです。胃と脳に優しいうす味の学習をゆっくり楽しんで進めるほうが、結果は明らかに良いのです。スロー学習のコツは、学んだことの“形”が消えるまで簡単なことを何度も繰り返すことです。そして休憩のたびに“ルンルン”と声に出して言って下さい。(このおまじないでストレスは本当に消えます。)

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№194 うざい人達

非関西人(健常者)は、吉本の芸人の関西弁を聞いて“よくわからない”ことがあると思います。しかし関西弁以外の方言でも、他の地方の人には“わからない”ことがよくあると思います。そして標準語でも法律用語や医学用語など、ちゃんとした日本語なのに“聞き取れない”し“意味もわからない”場合ってけっこうありますよね。

これが誰かと会話している時なら相手に聞き返せばいいのですが、ドラマや映画のせりふだと“えっ今何て言ったのかな”と思っても話はそのままどんどん進んでいきます。でもほとんどの人は“まっいいか”と思います。そういう状況には小さい頃から“慣れっこ”だからです。しかもこのことは話し言葉だけじゃなく、新聞や書物で人の名前や地名などの漢字が読めなくても“まっいいか”と、日本人は思ってしまうのです。読めなくても、分からなくても、聞き取れなくても、言葉なんかわりとどうでもいいと思いながら日本人は生きているような気もします。でもフランス人はけっこうそうじゃなくて、かなりしつこく、はっきり分かりたがる人たちです。で、その性格や態度が“うざいな”と感じることが時々あります。

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№193 明太子スパゲティ

チョンマゲを切ったので朝食はパンにしよう、と考えるのはすっごく柔軟な態度で評価されるべきことかもしれませんが、“中にアンコ入れると美味しいよ”とか“ヤキソバもはさめるよ”とかいう日本人て、結局ガンコなんですよね。カレーにビーフ入れるなんてインド人もびっくりだし、スパゲティにメンタイコーなんてダヴィンチさんでも考えつかなかったと思います。(一説によると、モナリザさんは明太子スパゲティを出されて笑いながら困っている顔をしていると言われていますが)。

ま、ともかく日本人には“負けるが勝ち”というとんでもないスローガンがあるので絶対に負けることがないのです。なんでも貪欲に(そして素直そうに)受け入れるようなフリをして、最終的には国産(土着)加工してしまい、本家への感謝の気持ちをすぐ忘れてしまうおちゃめな国民です。もちろんフランスでもどこでも異文化の混入と同化ということは、歴史上絶えず起きている現象ですが、日本式の“混ぜ方”はちっとも徹底的でなく、外国のものと日本のもの、古くからあるものと新しく入ったものの痕跡をある程度残しながら重層的に変化させていくという、恐るべき技を持っています。

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№192 火事

フランスの消防士さんを彼氏にしたい方は、サンタンヌ通りにある“来々軒”の窓際の席でタンメンとギョーザのセットを頼んでみて下さい。100%ではありませんが、向かいの消防署の2階(ガラス張り)から若くたくましいお兄さんが手を振ってくれます。

彼らが年中ヒマそうなのは、パリには“大火事”がほとんどないからです。いわゆる“ボヤ”はあるのですが、建物が石造りなので隣や上下のアパートにまで燃え移ることは非常にマレです。日本も昔より火事は減ったようですが、燃える時はしっかり燃えますよね。特に江戸時代なんかもうメラメラで、しょっちゅう“大火”の記録が残されています。しかも当時の日本の消防は水で消すより家を壊して火の手を止める、というダイナミックな方法が主流だったので、何百年も使える家を建てようとは誰も思わなかったようです。火事だけじゃなくて、地震や津波や台風、そして空襲だ原爆だと、こんなに頻繁に全滅しちゃいますと、何事にも諦めがよく“まっいいか”という国民性が育まれるようですね。

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